時に西暦2015年

使徒と呼ばれる謎の生命体の襲来。
対抗するのは、人型汎用決戦兵器エヴァンゲリオン。
それを操るのは、選ばれた三人の少年少女たち…。

























「参っちゃったわよねぇ。あっさり抜かれちゃったじゃない? ここまで簡単にやられると、正直ちょっと悔しいわよねぇ。
 すごい! すばらしい! 強い! 強すぎる! あ〜無敵のシンジ様ぁ! これであたし達も楽できるってもんじゃないの。ね〜!? 
 まぁね〜、私たちもせいぜい置いてけぼり食わないように、頑張らなきゃ!」

「さよなら」

「………くっ!」


(あたしはセカンドチルドレンなのに! 選ばれた人間なのに!)

























「みんな聞こえる? 目標のデータは送った通り。今はそれだけしか分からないわ。慎重に接近して反応をうかがい、可能であれば市街地上空外への誘導も行う。
 先行する一機を残りが援護。よろしい?」

「はーい、先生! 先鋒はシンジ君がいいと思いまーす!」

「はぁっ!?」

「そりゃもうこういうのは、成績優秀、勇猛果敢、シンクロ率ナンバーワンの殿方の仕事でしょう?
 それともシンちゃん、自信無いのかなぁ?」

「…行けるよ!」

「ううっ!」

「お手本見せてやるよ、アスカ!」

「なっ、なっ、なんですってぇ!?」

「ちょっと、あなたたち…」

「言ったでしょ、ミサトさん! ユーアーナンバーワン! って」

「いや、あれは…」

「戦いは男の仕事!」

「…待ちなさいよ! やっぱりあたしが前衛で出るわっ!」

「え、そんなアスカ…」

「うっさい! さっさと後衛に下がりなさいよバカシンジ!」






(あたしには、エヴァしかないのよ…!)












「パターン青! 使徒出現! 弐号機の直下です!」

「なにこれ!? 影!?」

「アスカ逃げて! アスカっ!」

「ちょっと、いやっ、なに、どうなってるの!? シンジ! ファースト! 援護は!? ミサト! 聞こえるミサトッ!?」

「プラグ強制射出! 信号送って!」

「駄目です! 反応ありません!」

「アスカっ!」

「駄目、碇くん。後退して!」

「いやあああああああああああああああああああああああああああっ!」

























「弐号機とは完全に音信不通。アンビリカルケーブルも途中で切断、か…」

「ディラックの海に飲みこまれてしまったんですもの。双方とも物理的な接触はほぼ不可能ね。
 アスカが無駄な行動を起こさなければ、弐号機の生命維持装置は16時間稼動するわ。でも、わかっているわね、ミサト」

「ええ、こうなったのは全てわたしの責任です。なんとしてでもアスカを助け出してみせる」

「そうじゃないわ。あなたの仕事は使徒の殲滅のはずよ」

「…リツコ?」

「あの使徒を倒さなければ、私たち人類に未来はない。たとえ、弐号機を失ったとしてもね」

「…っ!!」

「残されたパイロットのメンタル面が心配だわ。策はあるの?」

「…それもわたしの仕事よ。わたしに任せてちょうだい」













「碇くん。あれはセカンドの独断専行。碇くんが気に病む必要はない」

「でも…!」

「セカンドは望んでエヴァのパイロットになった。不慮の事態も覚悟していたはず。
 私たちの任務は使徒の殲滅。命令なら、命の危険も顧みず戦わなければならない。碇くんも何度も経験しているでしょう?」

「…冷たいんだね、綾波は」

「私は、当たり前のことを言っているだけ」

「だからって心配するなってのかっ!? 僕たちは仲間だろ! こうやっている間にもアスカは…!」

「無駄な体力を使わないで。それより訓練をしましょう。使徒は消滅したわけじゃないから」

「…! もういいよっ!」

「……………」







「…レイ」

「葛城三佐…」

「憎まれ役なんて、慣れないことするもんじゃないわ。それはわたしたち、大人の仕事よ」

「…私には、これくらいのことしか出来ないから」

























「…何やってんのよ、ミサト…。早く助けにきてよ…。いい加減飽きてくるじゃない」


「はあ…お腹空いたぁ…。ラーメン、食べたいな…」


「…あたし、死ぬのかな。チクショウ…」


「もう誰でもいいよ、助けてよ…。加持さん…、ミサト…、シンジ…、ファーストでもいいから、助けに来てよぉ…」


「…いやっ! 死ぬのはいやっ! 助けてっ! 助けてママ! ママ、助けてぇっ!! 死ぬのはいやーーーーーっ!!」

























「何が始まったの!?」

「状況は!?」

「分かりません!」

「全てのメーターが振り切れています!」

「まだ何もしていないのに!」

「まさか、アスカが!?」

「ありえないわ! 弐号機のエネルギーはゼロなのよ!」

「使徒の表面に亀裂が!」

「境界反転! 虚数空間が消失して行きます! エヴァ、出ます!!」

「弐号機が自力で!?」

「…ううん、違うわ、弐号機じゃない! あれは…!!」

























「…う、ん………」

「ミサトさん! アスカが気がつきましたよっ!」


(ここ、どこ? 土と…緑の匂い? …空? 違う、ここは…ジオフロント?)


「アスカ! 聞こえる、アスカ!?」

「聞こえてるわよ、うるさいわねぇ…。耳元で怒鳴らないでくれる? 
 ………って、はあ!? ちょ、ちょっとちょっと! なんでミサトもシンジもファーストも、そんなにちびっこくなってるワケ!?」

「それは主観の相違というやつね」

「リツコっ! どういう意味よ、説明してっ!」

「まずは落ち着きなさい。それからあたりを見回してみなさい」

「…え? …ええと…………ええええええええええええええっ!?」

























「ごめんなさいね、洞木さん。わざわざ足を運んでもらって。アスカたっての希望でね…」

「それより葛城さん、アスカの容態はどうなんですか!? ずっと学校にも来てないし、わたし、本当に心配で…」

「まぁ…健康っちゃあ健康なんだけどね…」

「それと、シンジのヤツはどないしてまんのや? 惣流のヤツとずっと休んでいるさかい…」

「そうですよ。もしかしてシンジも怪我をしたんですか? それとも、前の戦闘みたいに一緒に特訓を?」

「シンジくんは…アスカの御守りかな。というか、巻きぞえっていうのかしら、この場合…?」

「…???」






「あー、ヒカリ〜!」

「アスカ〜! 良かった元気そうで!」

「ぶ、ぶははははははっー! なんじゃいあのケッタイな格好は!? しっかし、全然なんともなさそうやんけ」

「トウジ、委員長、ちょっと待てよ! なんか縮尺おかしくないか!?」

「え? …あら、そういえば、アスカ、少し大きくなったような…?」

「んお!? なんや、こっちに近づいてくるたんびに、惣流のヤツが妙に大きく…?」

「違う! あれは惣流が元から大きいんだよ!」

「…ぬおお…………」

「そんな…! アスカが本当に大きくなってる!?」










「サイズがぴったりで良かったわね。D型装備は本来こんな使い方をするもんじゃないんだけど…」

「あたしだってこんなの嫌よ! でもこれしかないじゃない」

「ちゃんとした服も用意したわよ」

「あんな貫頭衣、服なんていえるわけっ!? だいたい下着もつけないであんなもの着るなんて無防備すぎるっ!」

「だからってね、アスカ。スーザの下着が欲しいなんてのは論外よ。そんな特注品、幾らかかると思っているの? 一つで国が傾くわ」

「それくらいいいじゃない! リツコには乙女心がわかんないの?」

「現実の経済観念の問題よ。まあ、食費がかからないだけマシといえるかも知れないけどね、この状況」

「この全然お腹が空かないって感覚、不思議でしょうがないわ。いくら食べても太らないってのは違って、全然楽しくないけどさ。
 それより、ちゃんと調べてくれてんの? 早いとこ元のサイズに戻りたいんだけど」

「目下MAGIがフル稼働しているわ。文字通り大人しく待っていなさい」











「あー、本当ヒマだわー。本も読めないし、オーロラビジョンがせいぜい14インチのTVと同じくらいだし!」

「わざわざ洞木さんたちが遊びに来てくれたじゃないか…」

「あんなの遊びっていえるわけないじゃない! どこかに出かけたわけでもないし。 
 だいたいジオフロントから一切出入り禁止なんて、理屈は分かるけど、あー、もうストレスたまりまくり!
 はあ………。あたしは、ずっとこのまんまなのかな」

「だ、大丈夫だよ、リツコさんたちも色々と調べてくれているし。
 きっと必ず元に戻れるから。ねっ。アスカ……!!」

「うっさいわね! 安っぽい同情なんてたくさんよ! アンタに同情されるほど落ちぶれちゃいないわ!
 はん、いいわよね、アンタは普通サイズで! あたしの苦労なんて分かるわけないもんねー!」

「それは…」

「へえ、分かるっての? それが同情だってのよ!」

「…そりゃあ同情なのも否定しないよ」

「ふんっ」

「でもさ。心配するくらい、いいだろ、アスカ…?」

「…………」

「…………」

「……………何よ」

「え?」

「何なのよ、その上から目線は! 心配しているオレさまカッコイイ? 何様のつもりよ!
 あ、無敵のシンジさまだったわね! へえへえ、それじゃ、あたしの代わりにせいぜい頑張ってくださいね!
 アンタが正真正銘のエースなんだから! 良かったわね〜!」

「…アスカ」

「いいから失せろ! さっさと帰ってミサトと乳繰りあうか、ファーストとデートでもしてくればあ!?」  

























「パターン青! 使徒です! 現在、第三新東京市に接近中!」

「エヴァのスタンバイ、急いで! 初号機と零号機で迎撃します!」




「…アスカがいないぶん、僕が頑張らなきゃ……」

「碇くん、聞いている? まずは私が前衛で出るから」

「碇シンジ、初号機、行きます!」

「まって碇くん!」








『シンジくん、下がって! 先行し過ぎよ!』

「碇くん、駄目っ!」









「初号機中破!」

「くっ! ただちにルート8で回収! レイ、回収のバックアップに―――」

『きゃあああっ!』

「レイ!? レイーっ!」

「通信途絶! 零号機、活動停止!」

「………っ!」





『ミサト? 聞こえる、ミサト!?』

「どうしたのアスカ? いいからあなたは避難を」

『あたしが撃って出る』

「はあっ!? ちょ、ちょっとアスカ」

『今のあたしのサイズなら、エヴァの装備も使えるし』
 
「そういう問題じゃないわよ、何を言っているのかわかってるの!?」

『分かっているわよ! どっちにしろこのままじゃジリ貧でしょ!? …最悪、シンジが起きるまでの時間稼ぎくらいしてあげるから!』

「でも…!」

「いいわ、行きなさい、アスカ。三番射出口を開けておきます。エヴァの拘束具を使用したプロテクターも用意してあるわ。武器は好きなものを」

『リツコ、多謝!』 

「アスカ! 待ちなさい、アスカ!  …リツコ、どういうつもり!?」

「どうもこうもないわ。アスカの言うとおりよ。使徒を撃退しなければ人類は滅ぶ。手段を選んでいる余裕なんてあるの?」

「だからってね…!」

「いいから黙って見ていなさい。私だって、自棄になってアスカの発進を認可したわけではないわ」

「リツコ…?」

























(あたしの使命ってなに?)

(エヴァの操縦)

(そう、エヴァを操って使徒を倒すことがあたしの仕事)

(でも、もうエヴァ弐号機はなくなっちゃった)

(…だったら、あたしが直接使徒を倒してやるわよ!)


「アスカ、行きますっ!」

























「そんな馬鹿な! あれは…ATフィールド!? アスカの攻撃が使徒に効いている!?」

「やはり思ったとおりね」

「どういうことよ!?」

「あくまで仮説よ。
 弐号機が失われて、替わりにアスカが巨大化してサルベージされたわけじゃないわ。
 ディラックの海の極限状態の中にあって、実にハイレベルな相互補完状態で弐号機とアスカは融合した。その結果――」

「…まさか!」

「そう、あれはアスカであって惣流アスカ・ラングレーではない。あれは――――」
































超弩級少女4973

























それは 身長49メートル73センチになってしまった少女と一人の内気な少年
   
それと 人類の存亡をかけた物語―――
































「ねえ、シンジ。キスしよっか?」


















「うひょおおおおお!? 碇のやつが惣流に喰われた! 喰われおったでぇええ!?」 
   

























COMING SOON………?

































4973(シキナミ)という読み方はやや苦しいかも。
小さくなるアスカのSSを書いたから、今度は大きくなるアスカを…ってわけではありません。
インスパイア、もしくはパロディでございまして、元ネタは







超弩級少女4946 BY 東毅先生になります。(ちなみに4946は何て読むのかは判明しておりません)

現在、超サンデーで連載中、クラブサンデーでも試し読み、最新話も読めます。
単行本は二巻まで絶賛発売中です。

チビだけど正統派な熱血主人公に、業界最大の身長差でおくるラブコメディは、SF、ファンタジー、学園物と実にハイレベルに融合されております。
いわゆるお約束な設定(巨大少女の食事はどうしてるの?)に対し、きっちりとした説明がなされている作品ですが
それだけに結末も曖昧かつ適当なハッピーエンドにならないのではないかと、個人的には戦々恐々です(笑)

興味をお持ちの方は是非購入してくださいませ〜。